プロの映像翻訳者朴澤蓉子さんが文芸書翻訳に挑戦して見えたものとは?【イベント感想】

ハナコはいない

チェッコリさんのトークショーイベントの感想。
 
”ささきの部屋Vol12~プロの映像翻訳者朴澤蓉子さんが文芸書翻訳に挑戦して見えたものとは?”
先日、韓国の本とちょっとしたカフェ「チェッコリ」さん主催のオンライントークショーを視聴してすごく面白かったので今日はその感想を。

イベントを知ったきっかけ

韓国語の勉強をきっかけにK文学にも興味を持ち、チェッコリで何か本を買おうとサイトを見ていると、イベント欄に翻訳家の方のトークショーのあんないがあり知りました。
普段こういうイベントには疎く、腰も重い方ですがオンラインなので気軽に参加できるなとチケットみると1500円とちょうどいいお値段。お笑いのライブ一回分や、本一冊分くらいで普段であうことのない何かのプロのお話を聞けるのかぁとワクワク。
9月は会社を辞めて何か新しいことをしたい気持ちだったのと、気になったものに素直に触れてみよう月間だったのですぐに申し込みました。
チケットと本(日本語と韓国語どちらも載っている!)のセットを購入。

映像翻訳家の朴澤さんについて

トークショーに出演される翻訳家の朴澤さんはもともと映像翻訳の世界で活躍されているそうで、今回第4 回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」にて最優秀賞を受賞。
その課題作であった『ハナコはいない』がチェッコリから出版されました。
 
というのをトークショーに申し込んでから知りました。朴澤さんは映像翻訳家として活躍されている中で、今回の文芸翻訳に挑戦されたそう。映像と文芸翻訳には、野球とサッカーくらい違いがあるというのも初めて知りました。
 
ただ訳すだけじゃないのはなんとなく想像していたけど面白そう!
と思いこういうイベントに初参加しました。
 
 

翻訳家は褒められることはない?

トークショーで印象に残ったのは、翻訳家は作家とは違って目立たないというか褒められることは少なく、また華やかなものではないというお話。
そういえば、本や映画でも翻訳家について注目する人って少ないのではないでしょうか。私も殆どの作品を翻訳家を意識せず、調べたとしても作家について。
でも違和感なく内容がすっと入ってくる裏側には、翻訳家さんやそれをチェックする方達のおかげなんだなァ。月並みだけどありがたいなぁと思いました。
 

初めて名前を覚えた翻訳家の話⁡

私が初めて認識した翻訳家といえばハリーポッターの松岡佑子さん。松岡さんのように有名な作品を手がけて有名になる方もいますね。中には翻訳家として有名になって作家としても活躍されている方も。
 
昔から海外の文化に興味があり本を読むことがあったので、翻訳家になりたいと高校生のころ一瞬思ったこともあったなと思い出しました。
訳者のあとがきを読んだり、韓国ドラマの最後にでてくる翻訳者さんの名前を調べてインタビューを読んだりもします。言葉を扱う人に興味があるのかもしれません。

トークショーの感想

 
トークショーはオンラインで行われ、視聴者も顔を出して鑑賞する方もいればビデオオフにして視聴している方も。
司会のささきさんや朴澤さんも視聴者の表情やリアクションを見ながらお話しされていて、温かい雰囲気でした。
トークショーは映像翻訳からなぜ文芸翻訳に挑戦されたのか、苦労した点、文芸翻訳と映像翻訳の違いなど視聴者からの質問にも答えつつ進められて面白かった!

翻訳家を目指す人の幅広さ

わたしは翻訳家の方のお話を聞いてみるのは楽しそうだな〜という気持ちで参加しましたが、中には翻訳コンクールに参加された方や現役の翻訳家、翻訳家を目指している方も視聴されているようでした。
こういうトークショーで手をあげて質問できる方ってかっこいい。私は小心者で聞きたいことがあってうずうずしている間に質問タイムが終わっているタイプです。
よし、次の機会は、どうしても聞きたいことがあったら勇気をだしててみよう。
トークショー自体も面白かったのですが、韓国文学に興味があり、そして韓国語の翻訳家になりたい方がこんなにたくさんいるのかということも興味深かったです。
 
年齢も性別もさまざまで面白いなァ。わたしもいくつになっても何かを挑戦する人でいたいなと思えたのが収穫でした。素敵。
 

言ってることと訳が違う?

興味深かったのが映像翻訳のルールについて。最近は韓国語を多少知っている視聴者が多く、
 
「ここはこう言っているのに訳が違う!」
 
という意見も増えてきたそう。
 
分かる、特に推しの言葉だったりするとそのまま知りたかったりする。でも韓国の文化的背景を知っている人だけでなく、みんなが違和感なく見れるように字幕をつけてくださっているんだろうなとは素人ながら想像していました。
 
かつてはなかったそういう意見が増えてきたのは、韓国の文化やコンテンツが人気になってきたからこそ。作品の魅力を最大限に伝えるために、そういったユーザの変化に合わせてここでは直訳にしよう、ここでは意訳にしようなど使い分けているそうです。
 
『すべての翻訳者さん、楽しいコンテンツをありがとうございます』と思いながらオタ活をしていたころのことを思い出しました(笑)
 
 

映像翻訳の隠されたルール

また、映像翻訳に隠された数々のルールにあるそう。
映像作品なので、文字を読むだけで次のシーンに移ってしまっては作品を楽しめない。
何秒以内・何文字以内・俳優の口の形に合わせるなどなど…
普段私たち自然に見ている作品の字幕の裏側にはそういった配慮があるんですね。
 
あと韓国って同じ言葉を繰り返すことが多いという話もおもしろかった!
確かに言ってる言ってる(笑)
 
例えば、
「オモニ!オモニ!」→「お母さん!」
 
という風に2回そのまま訳すのではなく1回にして原音を聴かせるなど。
 
翻訳は単語の意味だけでなく、その国のネイティブの人が見たときや読んだときと同じ印象を受けて楽しんでいただけるようにするとおっしゃっていたことが印象に残っています。
 
褒め言葉とみせかけて今は嫌味なのかとか、同じように伝わること。
あとは作家の個性も伝わるようにすること。
 

まとめ

 
『作家さんが命を削って作ったもの、それを楽しみに待っているファン、誰かをがっかりさせることへの不安は常にある。それでも言葉のことを考えるのは好き。
 
そうおっしゃっていたのが素敵でかっこいいなと思いました。
朴澤さんはとても柔らかくて、飾らない素敵な方でした。
朴澤さんが翻訳された映像作品もみてみたいな。
 
映像翻訳の実は・・・なお話がおもしろかった!
 
やはり、何かの”プロ”はかっこいいな。
 
肩書きのない生き方にも引かれるけど、軸がある人って素敵だな。
そう思えた土曜日のトークショーでした。

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